現存最古「慶祝の舞」鮮やか 京都・平等院(産経新聞)

 世界遺産・平等院(京都府宇治市)の鳳凰(ほうおう)堂にある国宝の「仏後壁」に描かれた平安時代の障壁画にある舞楽の演目が、慶祝の行事で演じられる「延喜楽(えんぎらく)」だったことが近赤外線画像撮影による調査でわかり、平等院が24日発表した。平等院によると、平安時代中後期の舞楽の動きが、演目を特定できるほど詳細に確認されたのは初めてという。

 仏後壁は平安時代中期(11世紀中ごろ)の作品と推定され、幅約3・7メートル、高さ約3・4メートル。計11枚で構成。左から4枚目に、舞楽が描かれた絵としては、現存する最古の例とみられる描写があり、襲装束(かさねしょうぞく)、鳥兜(とりかぶと)などをまとった4人の舞人が縦約20センチ、横約40センチ四方に描かれていた。しかし、色あせ剥落(はくらく)した部分もあった。

 近赤外線画像は、本堂の平成の大修理に伴う調査で撮影。舞人が右足を踏み込んでいたり、両手を広げて腕を上下に揺らしたりするしぐさが、下絵線などで浮かび上がり昨年11月、専門家らの調査で延喜楽の一場面であることが判明した。

 延喜楽は平安時代前期の官人で「楽道長」とも称された藤原一族の藤原忠房が作曲。絵に描かれた動作は、現代でも忠実に受け継がれているという。

 仏教大学宗教文化ミュージアムの斉藤利彦ポストドクター(日本芸能史)は「平安時代の舞楽の所作を知ることができ感銘を受けた。舞楽研究や古代芸能史を大きく進展させると考えられる」と話している。

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